Google Search Consoleのガイドラインの読み方

2019年9月26日

Google Search Consoleのヘルプセンターにはガイドラインというコンテンツがあります。ここにはGoogleの考え方やウェブサイト運用に役立つ情報も豊富で、Search Consoleの使い方だけでなく、ぜひとも知っておくべきポイントを整理して紹介します。

Search Consoleのヘルプにある4つのガイドラインとは

Search Consoleのヘルプセンターには以下の4つのガイドラインがあります。このページでは要点をピックアップして、用語などを平易にして説明しようと思います。
ただし、ウェブサイトの制作・運用(特にWordPressを使ったサイト)の基礎知識はあることが前提です。

引用元:Google Search Console ヘルプセンター|ガイドライン

ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)の読み方

「ウェブマスター向けガイドライン」というページは「一般的なガイドライン」と「品質に関するガイドライン」の2つの項目があります。

一般的なガイドライン

上で触れた4つのガイドラインにある「一般的なガイドライン」は別ページで、こちらはSearch Consoleの利用方法に関する各論。一方、こちらのページはSearch Consoleの用途別に整理した要点になっています。
この中で紹介されている便利ツールをピックアップしておきます。

  • robots.txt テスターツール:robots.txtにエラーや警告がないかをチェックできます。
  • URL検査ツール(下図参照):Search Consoleの左メニュー、上から3番目にある機能。GoogleにURLが登録されているかの他にも、モバイルユーザビリティやAMP、パンくずリストなどが確認できます。
  • 有効な HTML(W3C Markup Validation Service):URLを指定してコーディングにエラーや警告箇所がないかをチェックできます。
  • PageSpeed Insights:URL単位でのページ表示速度を計測するツールで、結果はモバイルとパソコンそれぞれに確認できます。
  • Webpagetest.org:これもURL単位でのページ表示速度を計測するツール。コンテンツの内訳ではリクエストと容量とで、htmlや画像、js、cssなどの要素別にネックとなる要素を知ることができます。
  • モバイル フレンドリー テスト ツール:モバイルユーザーにとっての使い勝手を診断するツール。古いサイトだと文字サイズやリンク要素の間隔などがモバイル向きではないと指摘されることがあります。
Google Search ConsoleのURL検査ツール
Search Consoleの左メニューで上から3番目にある「URL検査」で当サイトTOPページを調べた結果。

品質に関するガイドライン

Googleの基本方針と品質ガイドラインの具体例としてNGな手法を紹介しています。
基本方針は

検索エンジンではなく、ユーザーの利便性を最優先に考慮してページを作成する。

引用元:Google Search Console ヘルプセンター|ガイドライン|ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)

を前提として、真摯にサイトを運営しましょうといった内容。
NGな手法の中では、ついついやりがちな項目をピックアップしておきます。

コンテンツの自動生成

プログラムが自動生成するコンテンツや、他者ウェブサイトのコンテンツを継ぎ接ぎしただけのようなコンテンツが該当します。
これを踏まえると、まとめサイトなどはNGということなのかも。

誘導ページ

似たようなランディングページを複数作って、特定のページやサイトに誘導すること。EC系ランディングページではよくありそうなパターンですが、この場合はランディングページ自体の自然検索順位を上げたいわけではなく、広告のリンク先として利用するので直接的な影響はなさそうです。

オリジナルのコンテンツがほとんどまたはまったく存在しないページの作成

コンテンツの自動生成や誘導ページにも共通しますが、コンテンツとしてオリジナリティがないとGoogleの評価は得られません。部分引用をして批評を加えるといった手法はニュース記事やコラムなどでも一般的ですが、引用とオリジナル部分のバランスや<q><blocktique><cite>といったタグの正しい使い方を理解する必要があります。

一般的なガイドラインの読み方

Search Consoleの一般的なガイドラインの目次は以下の通り。

引用元:Google Search Console ヘルプセンター|ガイドライン| 一般的なガイドライン

詳細ページを見ていくと重複するような要素もあるので、ポイントを絞って紹介します。

検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドに見る注意点

Search Consoleを使ってsitemap.xmlを送信することで、ウェブサイトをGoogleに認知してもらうというのはご存知の通り。ポイントとなるのは、エンドユーザーがGoogleの検索結果からサイトに流入してきた時、満足のいくコンテンツがあるか、内容が検索結果の表示と合致しているか、といった点です。

titleとdescriptionを内容に合わせてわかりやすく記述する

Googleの検索結果では主にtitleとURL、descriptionが表示されます(下図参照)。
Googleはこれらの文字列を解析に利用していて、検索しているユーザーは検索ワードに関連するコンテンツを求めています。
titleとdescriptionには簡潔にページの内容を記載することで、順位が上がったりクリックされる確立が上がると期待できるわけです。
WordPressで作ったサイトの中にはサイト名称が全ページのtitleで複製されていたり、descriptionが空欄になっているケースもあるので注意しましょう。

Googleの検索結果画面
Googleの検索結果ではtitle、URL、descriptionなどが表示されます。

一般的なガイドラインに従ってすぐに対応したい点

Search Consoleの一般的なガイドラインの中でもすぐに対応できるポイントは以下の3点。

SSLを利用してhttpsでウェブサイトを暗号化する

ECサイトであればSSLでサイトを暗号化するのは当然ですが、個人情報の収集などをしないサイトでもSSL化は必須。レンタルサーバーでも無料SSL「Let’s Encrypt」を利用すれば簡単操作でhttps対応ができます。

URLもわかりやすい表記を心掛ける

WordPressを例にとると、投稿記事のスラッグがid=1234といった数値になっていると、記事の内容がわかりません。rental-serverといった単語にする方がわかりやすく、単語をつなぐのは_よりも-の使用をGoogleが推奨しています。

有料の外部リンクはrel属性をきちんと明記する

アフィリエイトなどの外部サイトで有料リンクに該当する場合、リンクのaタグにrel="sponsored"を記述して、どういう関係のリンクであるかをGoogleに知らせるようにしましょう。

コンテンツ固有のガイドラインの読み方

コンテンツ固有のガイドラインはわりとテクニカルな内容。
以下はSearch Consoleのコンテンツ固有のガイドラインの目次です。

引用元:Google Search Console ヘルプセンター|ガイドライン|コンテンツ固有のガイドライン

AMP対応とは

AMPに関する詳細説明はGoogleでも別なデベロッパーガイドを用意しているので、ここでは要点のみを整理します。

AMPとはモバイルユーザーに対してページの表示速度をよりスピーディーにするための仕様で、キャッシュを利用したり、ソースコードのムダな部分を省くなどの処理を要します。できるだけ対応すべきではあるものの、サイト全体のソースコードを見直すレベルの改修になるケースもあるので、今すぐフル対応するのは簡単ではありません。

WordPressはプラグインやテーマでの対応も検討範囲

WordPressで作っているサイトの場合、AMPというプラグインを有効化することである程度AMPのガイドラインに沿ったページを作成することができます。ただし、要素が省かれてしまったり、意図したレイアウトで表示されないこともあるので要注意。
WordPressのテーマ自体がAMP対応していれば、あまり意識せずともAMPページが生成され、表示も通常のモバイル用画面と遜色ないものが可能。この点は、当サイトの「SEOに最適なWordPressのテーマを探す」もご参照ください。

ウェブサイトの現状をAMPテストでチェック

Googleが提供するAMPテストというツールを利用すれば、現状のウェブサイトがAMPページとして有効かどうかを簡単にチェックできます。

AJAXの使い方の注意点

ウェブサイトのナビゲーションにAJAXやjQueryを使っているケースは珍しくありません。ただし、Googlebotがサイトをクロールする際、ナビゲーションにJavaScriptを使っていると検出がうまくできないこともあるようです。

画像と動画のタグを忘れずに記述する

画像のALTやキャンプション、動画の長さなどそのコンテンツに関連する情報はできるだけ詳細に記述することがSEO対策の基本。Google検索の画像や動画というセグメントされた検索なら、特に詳細情報が記述されている方が有利になります。

モバイル端末用のGoogle Discoverとは

Googleで検索するためにGoogleというアプリを起動すると、左下にDiscoverというアイコンがあり、おすすめのニュースが表示されます。これはGoogleニュースのコンテンツの中で、端末ユーザーが関心を持つと思われるものを自動的に抽出するもの。
検索結果以外でもユーザーを獲得できる可能性のあるチャネルです。

品質に関するガイドラインの読み方

Search Consoleの品質に関するガイドラインに掲載されている13項目はいずれもSEO対策としてはNGと考えるべきもの。

引用元:Google Search Console ヘルプセンター|ガイドライン|品質に関するガイドライン

被リンクを増やすキャンペーンはNG?

リンク プログラムという項目では、キーワードをリンクに指定した大規模なキャンペーンは、サイトのランキングに悪影響となるリスクがあるとなっています。被リンクを直接、お金で買うような施策はNGでしょうが、プロモーションとして何がよくて何がダメなのかは線表が難しいでしょう。

ランディングページは誘導ページに含まれる?

任意のページに誘導する目的で同じキーワードのランディングページを複数作ってしまうと誘導ページと判断されるリスクがあります。ランディングページ的位置づけでも、そのページの中身が充実していて、パンくずリストなどでサイト内の階層が正しく定義されていると回避できる可能性もあるので、まずは内容を重視してページ作成するのが一番です。

内容の薄いアフィリエイトサイトはNG?

アフィリエイト プログラムを利用していて、素材そのままの情報しか載せていないアフィリエイトサイトは避ける必要があります。わかりやすい取り組みとしては、レビューや評価、競合比較などを盛り込んで、中身のあるコンテンツにすることです。