さくらのレンタルサーバを使ったWordPressサイト運用ガイド

2020年3月16日

さくらのレンタルサーバ公式サイト
引用元:さくらのレンタルサーバ(https://www.sakura.ne.jp/)

IT業界の老舗企業が運用、月額料金524円(税込)~と安価で十分なスペックを持つさくらのレンタルサーバについて、中でもスタンダードとプレミアムの2つのプランにフォーカスして特徴や料金などを紹介します。

さくらのレンタルサーバの主な特徴

国内3拠点に自社データセンターを持ち20年超の運用実績あり

さくらのレンタルサーバのデータセンターは、東京・大阪・北海道と日本国内に3つの拠点があります。データセンター事業は1996年の起業初期から手掛けていることもあり、技術やノウハウなど国内でもトップクラスといってもいい存在。ホスティングサービスの安定運用という面で優位性を持っています。

モジュール版PHPやSSL+HTTP/2でWordPressを高速化

さくらのレンタルサーバはWordPressの表示が速くなるPHPモジュールモードを採用。また、通信プロトコルはSSL対応サイトを高速化させるHTTP/2なので、月額料金524円(税込)の安価なスタンダードプランでもWordPressサイトの表示速度アップが期待できます。

機能追加やリニューアルに役立つバックアップ&ステージング機能

さくらのレンタルサーバのバックアップ機能はスナップショットという単位でファイルやデータベースの内容を一括保存できます。スナップショットは8個まで使えて、1個分の容量は30GBまでOK。
また、ステージング機能によって公開中の本番環境と別にテスト環境を構築可能。ウェブサイトをメンテナンス状態にすることなく、WordPressやプラグインのバージョンアップ、テーマの切替などができるわけです。

さくらのレンタルサーバのバックアップ&ステージング機能操作画面イメージ
引用元:さくらのレンタルサーバ|バックアップ&ステージング(https://www.sakura.ne.jp/images/backup_staging/snapshot.png)

さくらのレンタルサーバの要チェック機能

さくらのレンタルサーバはプランバリエーションが6つあります。

  1. ライト
  2. スタンダード
  3. プレミアム
  4. ビジネス
  5. ビジネスプロ
  6. マネージドサーバ

このうちライトはWordPressが利用不可、マネージドサーバは当サイトで紹介するレンタルサーバーとはタイプが異なるため除外。
ビジネスビジネスプロは商用向けプランといえますが、スタンダードプレミアムとの比較で一番の違いは複数アカウントの管理機能があること。そう、複数スタッフでの運用に役立つ機能ではあるのですが、そうでなければスタンダードとプレミアムでも十分で、以下に主な機能をピックアップしてみました。

引用元:さくらのレンタルサーバ(https://www.sakura.ne.jp/plans.html)
  スタンダード プレミアム
容量(SSD) 100GB 200GB
データベース(MySQL) 20個 50個
転送量目安 80GB/日 120GB/日
独自SSL(Let’s Encrypt) 無料 無料
WordPressかんたんインストール 標準搭載 標準搭載
WordPress引っ越し機能
マルチドメイン 100 150
バックアップ スナップショット:30GB×8個 スナップショット:30GB×8個

さくらのレンタルサーバの利用料金

スタンダードの月額料金はプレミアムの1/3程度。
スペックの主な違いは上の機能一覧表にもあるようにSSD容量、データベース数、転送量目安、マルチドメイン数といったところで、コスパという意味では3倍もの差があるわけではありません。
ただし、さくらのレンタルサーバでは競合他社でいうところのプラン変更ができないのが注意ポイント。プランによって収容サーバーが違うことが理由で、スタンダードからプレミアムに変更する場合、新規にプレミアムを申込(要初期費用)して設定やデータを移行、完了後にスタンダードを解約するといった流れになります。

※すべて税込表記 引用元:さくらのレンタルサーバ(https://www.sakura.ne.jp/plans.html)
  スタンダード プレミアム
初期費用 1,048円 1,048円
月額料金(月払い) 524円 1,571円

さくらのレンタルサーバの運営会社情報

さくらのレンタルサーバの運営会社、さくらインターネット創業が1996年12月23日で設立が1999年8月17日。インターネット草創期からデータセンター事業を手掛けてきた老舗企業といえます。

会社名 さくらインターネット株式会社
所在地 大阪府大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪タワーA 35F
設立 1999年8月17日
資本金 22億5,692万円
売上高 195億100万円(2019年3月連結)
従業員数 連結652名(2019年3月末)
事業者番号

まとめ

サービス契約者に対するサポート方法が多様

さくらのレンタルサーバの契約者に対するサポート方法は通常がメールと電話とチャットの3種類。これに加えて常時ではないものの相談イベントによる対面サポートも実施しています。ただし、コロナ禍にあって電話サポートは休止、その代替としてコールバック予約を行っています。
また、ABUSE対応という窓口では利用しているサーバーへの迷惑メールや不正アクセスといったトラブルの相談が可能。これは問い合わせフォームのみとなりますが、スパム対策などで相談できるのは安心できます。
※2020年3月現在は新型コロナウイルス感染症対応として窓口運用が通常と異なっています。

WordPressのHTTP 503 エラー時に使えるリソースブースト

WordPressでウェブサイトを運用していると、HTTP 503 エラーが発生することがあります。これは、アクセス集中やWordPressの処理ループなどに起因して、リソースが足りなくなっている状態を意味します。
そんな時はさくらのレンタルサーバのコントロールパネルにある「503の緩和(リソースブースト)」を実行することで解決できる場合があります。

さくらのレンタルサーバのコントロールパネルにある「503の緩和(リソースブースト)」の操作画面
引用元:さくらのレンタルサーバ|503の緩和(リソースブースト)(https://help.sakura.ad.jp/360000208521/)

【注意点】できるだけプラン変更しなくて済むようスペックをチェック

さくらのレンタルサーバは上で触れたようにプラン変更という手続きがないので、スタンダードとプレミアムの選択で悩んだ場合、例えばスタンダードを申し込んで2週間のお試し期間中にできる限りスペックと使い勝手のチェックをしましょう。

スペックのチェックポイント

  • コントロールパネルの「サーバ情報」画面でCPUやメモリ容量をチェック。
  • 既存サイトコンテンツをセットアップしてPageSpeed Insightsで表示速度をチェック。

仮登録が完了するとコントロールパネルにログインできるようになり、サーバーのCPUやメモリ容量を確認することができます。これを今使っているレンタルサーバーと比較してみましょう。
また、サーバーの速度を知る指標としてはPageSpeed Insightsも参考になります。
運用中のウェブサイトをまるごと移すのが難しい場合、WordPressを新規インストールして、プラグインとテーマを既存サイトと合わせて計測する方法でもある程度の目安にはなります。